「道化の耳」小田島雄志著より。

小田島さんはシェークスピア戯曲の翻訳者で、東大名誉教授、東京芸術劇場館長でもある。これは“孫への手紙”というところにあったもの。筆者が小学2年(7歳)の孫に宛てた内容になっているが、まるで成人した大人にも通じるような言葉でもある。

さらに、すすんでいくと「友達づきあいというのは、待っていても何も得られない。自ら求めなければダメなのだ。・・・友達や先輩らを通じて求めていけば世の中には感動できるものがたくさんあるのだ。」とあった。

ここには実に祖父から孫への愛情たっぷりの文章がならんでした。小学生の子供にはもったいないくらいにも思えた次第。大人が読んでも十分共感できそうなほどだった。

さて、振り返ってみて自分にとって人生での財産といわれるほどの先生、先輩、友達に恵まれただろうか。もしそれが十分でないとすれば、自分が積極的に求めなかったのかもしれない。(その前に自分の価値もないか・・・)

一冊の本の中に書かれた“孫への手紙”(4ページほど)は、何度でも誰でも読み返せるからうまい方法でもあるかもしれない。簡単にどこかにまぎれて無くなることもなさそうだ。さすが小田島氏はすごいことを考える。